花と心のスペシャリストの仕事とは  ~子供から高齢者まで花で幸せにする~

わたしたちの心には、言葉に表現できないような思いや感情が多く息づいています。乳幼児期から成長し思春期を迎え、大人になる過程や、その後の高齢期に向かう過程のそれぞれに特有の感情やストレスも抱えています。

フラワー心理セラピストは、花を通じてそんなわたしたちの心の奥にある様々な感情にそっと寄り添い、癒しや気付きを与えてくれる存在です。多くの人がストレスや心の不調を抱えて過ごす現代社会において、花の持つ力を活用して、心にそっと寄り添い、癒しや幸福感をもたらしてくれます。

このコラムでは、花と心のスペシャリストであるフラワー心理セラピストが、子供から高齢者までのそれぞれの世代にどのように関わっているか、花がもたらす効果に触れながらご紹介していきます。

感受性を育てる幼少期

フラワー心理セラピーは、心が著しく発達する乳幼児期の心に大きな効果をもたらします。感情を言葉で表現するのが難しい幼い子どもたちにとって、花の色や形、香りを通じて得る感覚的体験は、五感の発達を促し感受性を育てる貴重なチャンスです。

保育園や幼稚園など、多くの子育て支援の現場では、季節の花を使ったアレンジや花遊びを通じて、子どもたちが感情を自然に表現できるような工夫をしています。

また、花との触れ合いは、自然とのつながりや生命の尊さを意識する機会にもなります。発達障害の傾向がある子どもたちにとっても、フラワー心理セラピーは非言語的な表現手段として貴重であり、有効に活用されています。

変化や転機の訪れる思春期・青年期

思春期・青年期には進学や人間関係などの人生の転機が多く訪れます。心身の成長も著しく変化の多いこの時期は、心が不安定になりやすい時期でもあります。

自我の確立と感情のコントロールを学んでいく大切な時期に、進学や就職、恋愛など周囲との人間関係もより複雑になり、自分の内面と向き合う余裕を失いがちになる人も多くなります。また、他人と自分を比較して、自己肯定感がゆらぐ人も少なくありません。

フラワー心理セラピーは、こうした不安定な心を穏やかに整える手段として、活用できます。

思春期や青年期世代の言葉にできない複雑な心の声が表現できること、セラピーを通して自分自身と向き合い自己理解、自己肯定感を高められることが大きな魅力です。

忙しい壮年期の癒し

壮年期になると、仕事や家庭、地域などで多くの責任を担う人が増えます。仕事上のストレスやプレッシャー、子育てや親の介護など心身が休まる暇がなく、自分自身の心身のメンテナンスを後回しにしがちです。

フラワー心理セラピーは、そんな忙しい日々を送る壮年期世代に、心を休ませる時間を届けてくれるでしょう。花と向き合えば自然とリラックスし、日々時間に追われがちな毎日の中でほっと息をつくひとときとなります。自分の心を見つめ直し、自分らしくいるためにはどうしたらよいのか、立ち止まって考える時間となります。

後回しにしがちな自分の心も、花に触れることで癒しを得られ、自分自身を取り戻せるきっかけになります。

自分を再構築する中年期

人生の折り返し地点を迎える中年期には、身体の変化に直面する人も増えます。また、親の介護や子どもの独立、退職へのカウントダウンが始まる人も多く、これからの人生を改めて見つめ直す時期となるでしょう。

フラワー心理セラピーは、このような心身の変化に寄り添い、これからの自分を再構築するためのサポートができます。セラピーを通してこれまでの自分の人生を見つめ直したり、未来に向けた感情を表現する作品を作ることで、新たな希望や人生の意味を発見できるでしょう。

更年期における心身のバランスを整える効果も期待できます。花と触れながら行うセラピーは、花の香りや彩りによる心身の癒しや安定の効果も発揮できるのです。

穏やかな高齢期をサポート

高齢期となって人生の後半に差しかかってくると、身体的な衰えや社会的な孤立から心のバランスを崩してしまう人も多くなります。

そんな世代にとってフラワー心理セラピーは、生きがいや心のよりどころとしての役割を果たしてくれます。花を生ける、飾る、世話をするという行為は、日々の楽しみとなり、穏やかな心のあり方をサポートしてくれるのです。

また、季節の花に触れると、その感触や香り、彩りなどから懐かしい記憶がよみがえることがあります。このような記憶の活性化は、認知機能の維持や、精神的な安定に大きな効果を持っています。

デイサービスやホームなどの介護の現場で、フラワー心理セラピーの効果は大きな期待を持って受け入れられています。

まとめ

フラワー心理セラピストは、花と心のスペシャリストとして、さまざまな場面でわたしたちの心にそっと寄り添える存在です。多忙でストレスの多い現代社会において、わたしたちが自分自身の心を見つめ直し、自己を肯定して、ありのままを受け入れ自分らしく生きていく、そのための力をくれるのです。

だれにとっても身近で親しみやすい「花」を通して、どんな世代にも個々のニーズに応じてアプローチできるのが最大の魅力です。

乳幼児期から高齢期までの人生のどの時期にあっても、花の持つ力を理解して心のケアに活かし、その人らしく生きる力を引き出してくれる、そんなセラピストがこれからの時代に求められています。