子どもの「泣きたい気持ち」の受け止め方

【目次】

・泣くことは成長に欠かせない

・2種類ある『泣き』

・泣き出した時、どうすればいいの?

花育現場での子どもの泣きたい気持ちの受け止め方

 

泣くことは成長に欠かせない

今回は、子どもの「泣く」について深堀りしていきます。

皆さんは、子どもが泣く行為についてどんな考えを持っていますか?

「早く泣き止ませなきゃと思ってしまう」

「泣かずに我慢できる子になって欲しい」

「思い切り泣くことは大事」

などいろいろな意見があると思います。

実は、泣くという行為は、成長に欠かせないものです。

 

例えば、兄弟喧嘩で負けた下の子が、泣きながら「お兄ちゃんに叩かれた〜」と

やってきたとします。

どうして自分のところにきたのでしょうか。

お兄ちゃんを叱って欲しい、自分の味方になって欲しい、いろいろあるでしょう。

 

しかし、本当は、

「お兄ちゃんに叩かれて痛かったよう〜!悲しいよ〜」

という気持ちを受け取って欲しいだけのことも多いのです。

受け取ってもらったことで元気を取り戻し、また遊び始めることができるのです。

 

実は、私たちは、『笑う』という行為はいいことで、『泣く』という行為はよくない事と捉えがちです。

しかし、今回の事例のように、泣くことは、思いの整理ができ、前に進めてける大切な行為になります。

2種類ある『泣き』

『泣き』には2種類あります。

それは、『欲求の泣き』と『ストレス発散の泣き』です。

それぞれ解説します。

 

《欲求の泣き》

例えば赤ちゃんは、お腹が空いた時、暑い時や寒い時に衣服の調整が必要な時、泣きます。

また、寂しい時も抱っこを求めて泣きます。

つまり、ママにして欲しい時がある時に泣くのが『欲求の泣き』になります。

大きくなると、泣く代わりに、言葉で訴えられるようになります。

 

《ストレス発散の泣き》

赤ちゃんから大人まで、『ストレス発散の泣き』は見られます。

悲しい気持ち、寂しい気持ち、怖い気持ちなどが、表現できずに心の中にたまった時、それを「泣く」という形で吐き出します。

この場合は、スッキリするまで泣いていいよという気持ちで見守りましょう。

ここで大事なことは、どちらの「泣き」にも寄り添うことです。

「泣くのは恥ずかしいよ!」「もう泣かないの!ストップ!」など声をかけたくなる気持ちをも分かりますが、ここは一度立ち止まることが大事です。

 

「〜したかったんだね」「寂しかったね」「怖いよね」「ドキドキするよね」と寄り添うことで、子どもたちは自分の気持ちを受け止めてもらい、安心し、自立していけるのです。

 

泣き出した時、どうすればいいの?

子どもが泣き出した時は、安心感を与えるために、まずは抱っこして心を抱きしめてあげましょう。頭を抱き寄せたり、肩に手をのせてあげるだけでもいいです。

そして、子どもからの目に見えないメッセージを意識して受け取る努力をしてください。

寄り添い

例えば、子どもが転んで泣いた時。

抱きしめたとしても、こんな言葉をかけられた子どもはどう感じるでしょうか。

「ほら!だから言ったじゃないの!!気をつけてね!いつまでも泣かないの!」

心を抱きしめるどころか、突き放してしまっていますね。

 

では、こんな言葉をかけるのはどうでしょうか。

「痛かったね〜 びっくりしたね〜 」

受け止めてもらえて安心します。

 

その上で「どうすると次は転ばないかな?」と一緒に寄り添って考えていくなどして、

子どもたちは自立していけます。

 

花育現場での子どもの泣きたい気持ちの受け止め方

花育現場でも、自分が思うようにいかなかったり、

思いをうまく伝えられなくて涙が出る子どもたちがいます。

そのような時、花育インストラクターは、子どもたちに寄り添います。

「〜だったね。悔しいよね」「ドキドキして怖いよね」

など、同じ気持ちを味わうように子どもと同じ世界にいます。

 

そうすると、子どもたちはほっと安心した表情を見せます。

そこから一歩トライできるよう応援!

泣きたい気持ちや、泣くという行為は大事な自己表現。

花育は、子どもの様々な感情や思いを受け止めて、寄り添う子どもの心育ての場所です。

 

監修・芙和せら(フラワーセラピー創始者)