フラワーアレンジメントから心理分析できるってどういうこと?
季節の花を組み合わせて作るフラワーアレンジメントは、気軽にお花を楽しめるため、プレゼントやインテリアのアクセントとして利用される方も多いと思います。では、そのフラワーアレンジメントから心理分析ができる、という話を聞いたことはありますか?
実はフラワーアレンジメントで「お花を選び」「組み合わせていく」過程では、それを作る人の心理状態が反映されます。これは、心理療法における、絵画療法やコラージュ療法、箱庭療法といった芸術療法に通じるもので、お花の本数、種類、配置を選ぶ際に、その時に抱いている感情が無意識のうちに現れ、投影法とも呼びます。
人の意識には潜在意識、顕在意識、というものがありますが、お花をアレンジするときには自分で意識できる「顕在意識」ではなく、自覚はできない「潜在意識」が無意識に働きます。そのため、心理分析にとても適しているのです。
それではフラワーアレンジメントでの心理分析はどのようなものなのか、具体的にご紹介していきます。
投影法を利用した心理分析
フラワーアレンジメントで心理分析をするのには、心理学における「投影法」の原理が用いられています。
「投影法」とは、人がなにかの刺激に対して感情や思考を無意識のうちに投影するメカニズムを利用した心理分析の方法の1つです。代表的なものとしては「ロールシャッハテスト」がよく知られています。これは、インクの染みを見て、それについてどのように感じるか、解釈するかということを基に、人の心理状態や感情、価値観を分析するものです。
私たちが花を選んだり、選んだ花をどのように配置してアレンジメントにするのかは、意識的な判断だけではなく、無意識の心理状態が大きく反映されています。明るくカラフルな花を選ぶ場合と、シンプルで落ち着いたトーンの花を選ぶときでは、性格や好みだけではなく、その時の心理状態に大きく影響されているのです。
花の色や種類から見る分析
では実際に、フラワーアレンジメントによってどのように心理分析が行われるのでしょうか。フラワーアレンジメントによる心理分析は、心理学における「箱庭療法」に似たアプローチで行われます。
箱庭療法とは、砂の入った箱の中でミニチュアの玩具を用いて表現した作品から、その人の心理状態を読み解くものです。無意識に選ぶオブジェクトや配置によって、内面の心理を探ります。
ポイントとなるのは、選ぶ花の色や形、香りや感触など、それぞれの花が持つ個性です。そしてその花をアレンジメントにするためにどのくらいの本数を選ぶのか、どのような花と組み合わせるのか、配置や向きなども考慮します。
ここからは以下のポイントに絞って解説していきます。
- 花の種類
- アレンジスタイル
花の種類
花の種類にも、心理が反映されます。一つひとつの花には象徴的な意味があり、同じ色の花を選んでも、それがバラなのかガーベラなのかによって、選ぶ人の心理状態も大きく異なります。これらを総合的に考慮して心理状態を読み解いていくのが、フラワーアレンジメントによる心理分析です。
例えば同じ赤い花を選ぶとしても、バラを選ぶ場合には自己主張を強くしたい心理が現れていることが多いですが、チューリップの場合には愛情をまっすぐに表現したいときの心理が現れていて、それぞれに意味するところが異なっています。
アレンジのスタイル
アレンジメントのスタイルによっても、心理分析ができます。自然で自由な形に配置する場合や、均整が取れた対称的な配置にする場合には、それぞれに大きく心理状態が異なると言えます。
花の向きや本数などについても、象徴的な意味があります。心理分析はアレンジメント全体をみて行います。
まとめ
フラワーアレンジメントは、単にその美しさを楽しむためだけのものではなく、作る人の内面的な感情や心理状態が反映されます。そのため、箱庭療法や絵画療法、コラージュ療法のように、心理分析の手法として活用できるのです。
フラワーアレンジメントによる心理分析は35年もの臨床実験を積み重ねたことで、芙和せらがその心理理論を構築しました。無意識の潜在意識で選んだ花が心の状態を表し、 アレンジメントを通じて、心理分析を行えるのです。
美しい花を楽しむだけではなく、季節の花を組み合わせたアレンジメントで、その背後にある心の声に耳を傾けてみませんか。