お正月に飾ると縁起がいい花や植物

お正月は新しい年を迎えて、この先一年間の家族の幸せや健康を願う特別な時期です。玄関や室内を飾るお正月飾りに用いられる花や植物には、日本の文化や伝統に根ざした意味が込められ、縁起物として親しまれてきました。

今回は、お正月に飾ると縁起がいいとされる花や植物の代表的なものをご紹介します。

お正月飾りの定番として知られる松は、「不老長寿」や「繁栄」を象徴します。冬でも青々とした葉を保つため、強い生命力や永遠を表す植物として門松に欠かせない存在です。

また、「神を待つ」「神を祀(まつ)る」という名前のいわれもあり、神様を家に招き入れるための目印と考えられ、新年の玄関を飾るのにふさわしい植物とされています。

松竹梅のひとつとして知られる竹は、松とならぶ縁起物としてお正月飾りに用いられてきました。真っ直ぐに伸びる姿や成長の速さから、縁起がよいだけではなく、素直さや成長の象徴とされています。

風雪に耐えるしなやかさが、困難を乗り越える力強い理想的な生き方を象徴し、お正月飾りに加えると縁起が良いとされています。

冬の厳しい寒さの中でいち早く花を咲かせる梅は、希望や新しい始まりの象徴と言われています。また、梅の花には紅白のどちらもあることから幸福や成功を呼び込む花とされ、お祝いの場にもふさわしい華やかさを持っています。紅梅は幸福や生命力、白梅は純潔を表し、お正月の生花やアレンジメントに加えるのに適しています。

新年の空気に華を添える芳しい香りも、一年の始まりにぴったりですよ。

南天

赤い実をつける南天は「難を転じる」という語呂合わせによって、厄除けや魔除けの植物と考えられ、古くから親しまれてきました。赤い実をこぼれ落ちそうなほどにつけるのが特徴で、その様子は寒い冬の空気の中に映える美しさがあります。

玄関や室内に飾ることで、家族の健康や安全を祈る縁起物として重宝されてきた植物です。

千両・万両

鮮やかな赤い実が特徴的で、お正月飾りには欠かせない存在です。千両と万両は、名前の通り千両や万両の価値を持つ植物として、金運や繁栄を意味する縁起物として親しまれてきました。

庭に植えられることも多く、冬の寒い時期に華やかな赤色を添え、目にするだけでも豊かな気持ちになれる植物です。

日本の国花である菊は皇室の象徴としても用いられ、高貴さや不老長寿の象徴として日本の文化に根付いてきました。古くから仏事、慶時の両方に用いられ、「菊を飾ると福が来る」と言われるほど縁起の良い花とされています。

特にお正月の飾りとしては生け花やアレンジメントに多く用いられることで知られ、菊を加えることで格式高い雰囲気も演出してくれます。

葉牡丹

菜の花の仲間ではありますが、牡丹の花に似た姿をしていることから、葉牡丹は「富貴」を象徴する植物と言われています。紫や白、緑の葉牡丹があり、その色合いが冬の景色に映えるため、門松やお正月の寄せ植えなどによく用いられます。

葉が幾重にも重なり合う様子から、「家族円満」を意味する縁起物としても広く親しまれています。

まとめ

お正月飾りには、伝統的に縁起物とされる花や植物が用いられています。単なる装飾としてではなく、それぞれの花や植物の意味を思って飾ることで、古くから家族の健康や幸せを祈るために飾られてきました。

飾る際のポイントとして、清潔に整えられた場所に飾ることも大切です。年末は早めに大掃除を終え、神様が訪れる玄関周りは特にきれいに整えておきましょう。

そして、ご紹介したような縁起のいい花や植物を取り入れて飾りつけを行い、実り多い幸せな新年を迎えてみてはいかがでしょうか。