ハイビスカスの鉢植えを何年も楽しむためのコツ

南国リゾートを思い起こさせてくれるハイビスカスの花。夏の強い陽ざしのなかでもそれに負けない鮮やかな色彩でわたしたちを楽しませてくれますね。大輪で色彩豊か、そしてエネルギーにあふれるその姿は、太陽そのものを現しているかのようです。

そんなハイビスカスの花を、鉢植えで気軽に楽しむことができるのをご存知ですか。暑い夏にも華やかな存在感で心に元気を届けてくれるハイビスカス。育て方のコツを知れば、何年も楽しめます。

このコラムではハイビスカスの花の特徴とともに、鉢植えで長く楽しむ方法についてご紹介します。

ハイビスカスの特徴と魅力

ハイビスカスはハワイやアジア圏の熱帯地域原産の植物です。赤やピンク、黄色、オレンジといった華やかな花色で、夏の景色に良く映える明るい雰囲気があります。10㎝を超えるような大ぶりの花を咲かせることも多く、周囲の雰囲気を明るく変えるような存在感ですね。

花の寿命は1日〜2日と短いのですが、次々につぼみをつけて花を咲かせてくれるので、開花期の5月〜10月の間、長期間にわたって花を楽しめるのが魅力です。熱帯地域が原産のため、本来は寒さに弱いのですが、品種によっては寒さに強いものもあり、育てやすさに違いもあります。冬越しをして何年も楽しむためには、品種を選ぶときに耐寒性を意識するのも良いでしょう。

鉢植えで育てるメリット

実はハイビスカスは、地植えよりも鉢植えのほうが育てやすいとされています。南国の植物であるハイビスカスに適した環境をつくるには、鉢ごと移動できると寒さや強い雨風から守れるためです。

日光が大好きなハイビスカスのために、日の当たりやすい場所に移動することもできます。

特に、日本の冬はハイビスカスにとっては厳しい環境と言えるため、気温が低くなり始めたら室内に取り入れて冬越しをするのがおすすめ。鉢植えで育てれば、ベランダや玄関先などのコンパクトなスペースであっても、気軽に南国の雰囲気を取り入れられますね。

ハイビスカスを長く楽しむためのポイント

では、ハイビスカスの花をできるだけ長く楽しむためには、具体的にどのようなことに気をつければよいでしょうか。ここからはそのポイントについてご紹介していきます。

土と鉢選び

まず、ハイビスカスを植える土と鉢選びのポイントです。

市販されている一般的な草花用の培養土でも十分ですが、ハイビスカスは水はけの良い土壌を好むため、赤玉土や腐葉土をブレンドするなどで、より水はけのよい土に配合するのもおすすめです。

鉢は7〜10号程度で、根をしっかり張れるような大きさのものを選びます。鉢底に穴のある通気性のよい鉢がおすすめです。

また、年数が経つと根も成長して鉢のなかで根づまりを起こしてしまいます。2、3年に一度は少し大きな鉢へ植え替えるようにすると、より長い期間楽しむことができます。

水やりと肥料

成長期の夏場は水切れに注意しましょう。表面が乾いたら、鉢の底から水が流れ出るくらいにたっぷりとあげます。鉢皿に水がたまったままにすると過湿となり根腐れの原因になるので、必ず水を切っておきましょう。水をやるタイミングは、気温が高くなる前の午前中や夕方にします。

また、ハイビスカスは肥料を多く必要とします。花を咲かせる時期にはエネルギー源となるよう、月に2、3回液体肥料を与えます。ゆっくりと効果が出る固形肥料を、月に1度ほどプラスするのもおすすめです。

日照時間

日光が大好きなハイビスカスは、日当たりがよいほど花を咲かせる力も強くなります。より陽のあたる場所に鉢を移動させて、たくさんの日光を浴びさせましょう。ただし、真夏の強い直射日光を浴び続けると、葉焼けを起こしてしまうこともあるので注意が必要です。花の様子を見て、半日陰に鉢を移動するようにします。

剪定

鉢植えのハイビスカスを長持ちさせるためには、剪定が不可欠です。株を健康に保ち、美しい形を維持することができます。開花期を終えた秋ごろに、古くなった枝を中心にして1/3程度をカットします。これは株の形を整えると同時に、風通しをよくして病害虫の予防も目的としています。剪定をしっかり行っておくと、株に力が蓄えられ春には元気な新芽が伸びてきます。

冬越しの工夫

ハイビスカスは10℃以下の気温に弱いため、冬になり霜に当たると枯れてしまいます。冬を越して次のシーズンもハイビスカスの花を楽しむためには、対策が必要です。本格的な寒さがおとずれる前に、鉢を室内に移しておきましょう。日当たりのよい窓辺などがおすすめです。暖房の風が直接当たらないようにすることもポイントです。

冬場は株が休眠期に入っているので、水やりは月に1、2回程度と控えめにし、乾燥気味にしておきます。この時期は肥料も必要ありません。暖かい場所で静かに春が来るのを待たせてあげましょう。

まとめ

大輪の鮮やかな花を咲かせるハイビスカスは、見る人を元気づける力があります。鉢植えでも気軽に楽しめるので、真夏の時期にはおすすめです。本来南国に咲くハイビスカス。冬の寒さが厳しい日本では、冬を越してハイビスカスの花を楽しむことができないのではないかと思われていた方も多いのではないでしょうか。でもちょっとした工夫とコツさえつかめば、鉢植えでも毎年ハイビスカスの美しい花を楽しむことができます。

ご紹介したポイントを意識して、今年の夏から、そして来年の夏も、ハイビスカスの花を長く楽しんでみませんか。