旬の果物や野菜を取り入れたこだわりの花飾り

実りの秋。季節が深まるにつれて、売り場には色とりどりの果実、野菜が並び出します。りんご、柿、ぶどう、みかん、南瓜など、鮮やかな色合いや香りが、わたしたちの五感を刺激し楽しませてくれますね。
花と同様に、果実も季節の移ろいを映し出してくれる存在です。果物や野菜を使った花飾りは、海外では身近に親しまれていますが、日本でも少しずつ広まり始めています。時間の経過とともに、香りや質感の変化が楽しめるのも特徴です。花と合わせて旬の素材を使った花飾りを作れば、視覚だけでなく心まで豊かにしてくれるでしょう。
この記事では、旬の果物や野菜を取り入れた花飾りのアイディアや、作るときの工夫やコツについてご紹介します。
果物や野菜を加えた花飾りの魅力

季節を感じさせる花々を使ったアレンジメントは、それだけでも魅力的ですが、果物や野菜の自然な艶や質感、花材にはない形状が加わると、そのコントラストが際立ってまた違った魅力が感じられるようになります。真紅のりんごや爽やかなグリーンの芽キャベツ、南瓜やアーティチョークなど、果実の丸みを帯びた形状やみずみずしい色彩が加われば、より一層生命力やエネルギーのある花飾りに仕上がります。
季節ごとのおすすめ素材
旬の素材を使えば、その季節の空気感を演出できます。花と果物、野菜のバランスをうまく取りながら花飾りを作ってみましょう。
春
- 素材:いちご、青りんご、ラディッシュ、グリーンピース
- 花材:チューリップ、スイトピー、ラナンキュラス
→いちごやラディッシュの赤は、桜やチューリップ、スイトピーのピンクと組み合わせると、春らしくみずみずしい花飾りに仕上がります。
夏
- 素材:ブルーベリー、ライム、レモン、ミニトマト、オクラ
- 花材:ひまわり、トルコキキョウ、ミント
→レモンやライムなどの柑橘系のスライスをドライにして使用すると、持ちもよくアクセントになります。オクラもスライスして断面を見せるようにして飾るとかわいらしく演出できます。
秋
- 素材:りんご、柿、ぶどう、栗、南瓜、芽キャベツ、アーティチョーク
- 花材:ダリア、ケイトウ、ユーカリ
→りんごや南瓜などミニサイズのものを利用すると花と合わせやすく、季節感を演出できます。芽キャベツや栗、アーティチョークなど個性的な素材を組み合わせるのも遊び心があり、見る人の目を楽しませる花飾りになります。
冬
- 素材:オレンジ、唐辛子、ナッツ
- 花材:ホワイトローズ、コットンフラワー、モミ、ヒバ
→モミやヒバをベースにしてリースにすると、冬の季節感たっぷりの花飾りになります。スライスオレンジのドライやトウガラシなど鮮やかな色彩をアクセントにすると華やかです。
花飾りの作り方とコツ

果物や野菜を組み合わせた花飾りを作る時に気をつけたいのは、重さと水分量です。りんごや柿などの果実は重みがあるため、ワイヤーや木製のピックなどでしっかりと固定しましょう。ベリー類などの小ぶりなものは、小さな房の状態で束ねるようにして花材の間に挿すと、飾りやすくなります。
また、野菜や果物の水分は、そのままだとカビや腐敗の原因にもなります。長く保ちたいときには、ドライに加工したものを取り入れるといいでしょう。トウガラシなどは飾るとそのままドライになり、色彩も鮮やかなのでおすすめです。野菜の種類によっては水分の保持がしづらく、しおれやすくなるものもあります。その場合にはオアシスと呼ばれる吸水スポンジに水分をしっかり保っておくことも大切です。
まとめ
旬の果物や野菜を取り入れた花飾りは、視覚的な美しさだけではなく、香りや手触りまで楽しめる、わたしたちの五感に直接働きかけてくれるものです。野菜や果物という、自然の恵みの象徴のような存在が加わることで、華やかさの中に温かみや生命力が感じられるようになり、自然と心が安らぎ力づけられます。
果物や野菜は、生のまま飾っても時間の経過とともに少しずつ表情を変化させます。みずみずしい状態から、色が落ち着き、やがてドライになっていく、そんな変化も楽しめるのは、果物や野菜ならではの楽しみ方です。
季節の恵み、その生命力を五感で感じながら、変化も受け入れそれを楽しむ。生命や自然の循環までまるごと感じられる、そんな花飾りを生活に取り入れてみませんか。





