子どもの力の伸ばし方
【目次】
・五感を鍛えることで子どもの力はグングン伸びる
・具体的な五感の鍛え方
・花育は五感をフルに活用できる場所
五感を鍛えることで子どもの力はグングン伸びる
『五感』という言葉を聞いたことはありますか?
『五感』とは人間に備わった感覚のことで
・視覚、嗅覚、触覚、聴覚、味覚の総称のことです。
この5つがバランスよく発達していくことで、
子どもの心身の能力が高まっていきます。
インターネットが発達し、電車に乗っても多くの人がスマホをみている風景は当たり前になっています。
そのような毎日の中で、五感を鍛えることが難しくなっています。
公園や自然の中で友達と遊ぶ時間よりゲームやネットで楽しむ時間が増えています。
平成29年「青少年のインターネット利用環境実態調査」(内閣府)によると、
小学生の4人に1人が、平日2時間以上スマホでネットを利用していると答えています。
平成28年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)より(平成29年3月 内閣府)
また、自然食品が見直されてきてはいるものの、添加物たっぷりの食品に囲まれて暮らす私たち。
便利になった一方で、濃い味付けに慣れてしまい、食材本来の味を感じにくくなりがちです。
だから私たち大人は、日常の生活の中で意識的に、五感を鍛える環境を取り入れる必要があります。
ここで大切なのは「バランスよく五感を鍛える」ということです。
早期教育が盛んに行われている場所もあるようですが、演算の能力のような 細分化された能力を開発
しようとして、その部分だけ刺激を与えても、短期的に見れば簡単に成功したようにみえることがあります。
しかし、長期的に見ると、いろいろな問題が出てきます。
例えば、知識重視でバランスにかけた発達になった場合、自我の形成が未発達で、
少年期の頃から、反抗や無気力感など、問題行動が現れたりします。
子どもの持っている無限大の力を伸ばすには、五感をしっかりと鍛える機会を
積極的に作っていく必要があります。
子どもの力がグングン伸びる五感の鍛え方
五感の発達を促すためには、『なるべくたくさんの体験をさせること』が肝になります。
自然の中で、木々の葉っぱが揺れているところ(視覚)を感じたり、
草花の匂い(嗅覚)をかいだり、
裸足で砂の上を歩いたり、泥まみれになって遊んだり(触覚)、
虫や鳥のさえずりを聞いたり(聴覚)、
もぎたての果実や野菜を味わってみたり(味覚)。
もしこういった体験をしないで『この花は甘い香りがする』『この鳥はピーピーと鳴くもの』のような 、『知識』だけで成長していったら・・・
感動や共感の体験が少なく、生きている充実感に乏しい大人になってしまうかもしれません。
幼少期の頃に、「この匂いはいい匂いだな」「この音は嫌な感じがするな」などの五感を磨きながら、「どうしてこうなるんだろう」「これは何かな?」「この虫はどこへいくのかな?」「こっちには何があるのかな?」と『あれこれ自分で考えて、やってみる』という経験をいっぱいすること。
そして、そのような体験をしていくところをそばで見守り、勇気づけられながら、子どもは心も体も成長していくのです。
花育は五感をフルに活用できる場所
花育は、五感をフルに使って心育てをする場所になります。
「見て、触れて、生命を感じるという経験をして欲しい」その想いから、花育では造花ではなく、生花(せいか)を使います。
実際に、花育の現場では、子どもたちから、
「このお花の匂い、ずっと嗅いでいたい!」
「この葉っぱ触るの、気持ちいい〜」
「この茎、うぶ毛みたいなのがいっぱい生えてる〜!」
といった、声が毎回のようにあがります。
また、花も私たち人間も、『水』を必要とする生き物です。
花たちの水々しさから、感覚で共鳴しあい、みるだけで、触れるだけで、
落ち着いたり、元気をもらったりするのだと思います。
塾などの習い事や、インターネットの普及でバーチャルで楽しむ時間が増えたからこそ、
花育のような 「安心安全な場所で、自然に触れながら、思い切り自分を表現できる時間」を
お子様にプレゼントしてあげてはどうでしょうか。
監修・芙和せら(フラワーセラピー創始者)