認知症がこわいと思ったら今すぐ始めること
「もし認知症になったらどうしよう…」ふとした瞬間に、そんな不安がよぎることはありませんか?健康に長生きしたいと願う方ほど、先のことを思って心配になるものですよね。大切なのは、不安から目をそらすことではなく、今の自分にできることを正しく知ること。今回は、「今日から」「無理なく」「楽しみながら」続けられる、認知症対策をご紹介します。
毎日の習慣が左右する「認知症リスク」
認知症は「年齢を重ねれば誰にでも起こるもの」と思われがちですが、近年の研究では毎日の生活習慣が、将来の認知症リスクに大きく関わっていることがわかってきました。世界保健機関(WHO)などの報告でも、体を動かすこと、人と話すこと、食生活を整えることなど、日々の何気ない習慣の大切さが示されています。裏を返せば、特別な治療や難しい努力をしなくても、今の暮らしの中でできることがあるということ。毎日の小さな積み重ねが、脳と心の健康をやさしく支えてくれます。
無理なく始める認知症対策
「認知症対策」と聞くと、身構えてしまう方も多いかもしれませんね。でも、特別なことを頑張らなくても大丈夫。今の暮らしの延長線上で、できることがたくさんあります。
脳を元気にするウォーキング習慣
世界保健機関(WHO)や厚生労働省の資料によると、普段から体を動かす習慣がある方は、認知症になる心配が少なくなることがわかっています。ウォーキング程度の運動でも十分に効果が期待でき、目安は1日20~30分ほど。息が少し弾むくらいの、無理のない速さでがおすすめです。歩いていると道ばたの花に気づいたり、空を見上げたり、すれ違う人とあいさつを交わしたりしますよね。体を動かすだけでなく、「気づく」「感じる」「人と関わる」時間になるのも、ウォーキングの良さ。こうした何気ない刺激が、脳の健康を支えてくれます。
人とつながるおしゃべり習慣
人との交流が少ない状態が続くと、認知症の発症リスクが高まることがわかっています。人と関わる時間の多くは、会話を通して生まれるものです。会話には、思い出す力や考える力、気持ちを整える力などが必要で、日々のおしゃべりは脳をまんべんなく使う良いトレーニングになります。近所の方とのあいさつや、家族との何気ない会話、思い出話をするだけで十分。声を出して笑い、気持ちを通わせる時間は、心を明るくするだけでなく、脳にとっても大切な刺激になります。外出が難しいときは、電話やオンラインで言葉を交わすのも立派な認知症対策になりますよ。
脳を労わる睡眠習慣
睡眠不足が続くと、認知症の発症リスクが高まることがわかっています。眠っている間、脳はその日に使った情報を整理し、不要な老廃物を外へ流しています。とくに深い睡眠は、脳の健康を支える大切な休息時間です。とはいえ、長く眠ることだけが大切なのではありません。重要なのは、時間の長さよりも、毎日きちんと休めているかどうか。「毎日だいたい同じ時間に寝起きする」「日中に体を軽く動かす」「寝る前はテレビやスマホを控える」など、生活リズムを整えることが質の良い睡眠につながります。
脳の元気を支える食習慣
毎日の食事は、これからの脳の元気を支える大切な習慣です。食事の量が少なかったり、同じようなものが続いたりすると、脳に必要な栄養が不足しやすくなります。また、偏った食生活は生活習慣病を招き、脳の血管に負担をかけてしまうことも。魚や野菜が少ない食事が続くと、脳の老化が進みやすくなるとも言われています。難しいことを考えず、食べる楽しみを大切にしながら、魚・野菜・たんぱく質を少し意識して摂り入れてみましょう。和食を基本に、野菜や海藻のおかずを一品増やしたり、おやつを果物やナッツに替えるだけでも、脳にやさしい食事につながります。毎日3食を完璧にしようと気負わず、無理なく続けられる食習慣を大切にしてくださいね。
少し頭を使うチャレンジ習慣
読書や日記、簡単な計算、語学、楽器の練習などは、脳を幅広く使う良い習慣になります。ただし、いつも同じやり方でできる慣れた作業だけでは、刺激が少なくなりがち。少し考えたり、工夫したりする場面を意識することが大切です。楽しみながら頭を使う時間が、脳の力をゆっくりと育ててくれますよ。
早めの受診という健康チェック習慣
「物忘れが増えたかも」「前より段取りがうまくいかない気がする」など、ちょっとした違和感に気づいたら、早めに病院で相談することも大切です。年齢による変化なのか、治療やサポートが必要な状態なのかを知るだけでも、気持ちはずいぶん楽になります。早く気づいて適切に対応することで、進行を緩やかにできる場合もあります。不安を一人で抱え込まず、かかりつけ医や専門医に相談することも、大切な認知症予防になりますよ。
家族がつくる安心できる環境
認知症を遠ざけるためには、本人だけでなく、家族の関わり方も大切です。規則正しい生活リズムと、安心して過ごせる環境は、脳の健康を支えてくれます。身の回りのことをすべて手助けするのではなく、できることはできるだけ本人に任せることも重要です。うまくいかない場面があっても責めたり、細かく訂正したりせず、気持ちに寄り添った声かけを心がけましょう。穏やかな気持ちで過ごし、できることを大切にする日々が、認知症を遠ざける環境づくりにつながります。
まとめ
認知症は、生活習慣や身の回りの環境を整えることで、発症リスクを下げられることが多くの研究で報告されています。運動、人との関わり、睡眠、食事、知的刺激、生活環境など、どれも特別なことではなく、日々の暮らしの中にある身近なことばかりです。完璧を目指す必要はありません。今日できることを一つずつ、無理のないペースで重ねていくことが、これからの安心につながります。不安に気づいた今こそが始め時。できることから、ゆっくり始めてみませんか?
WHO、認知症のリスクは生活習慣の改善で減少 | 公益社団法人 日本WHO協会




