現代社会における花育の重要性

【目次】

・子どもをとりまく社会的背景とその問題

・子どもの問題を解決する糸口となる花育

・自己肯定感を育む花育インストラクターの役割

子どもをとりまく社会的背景とその問題

現在、以前から叫ばれている少子化、核家族化に加え、インターネットが普及し、

老若男女全ての世代の人がスマホなどの情報機器を持つなど、情報化の波も

凄まじい勢いでやってきています。

このような社会状況が、子どもの育ちを巡る環境を変化させています。

 

まず、少子化、核家族化が進行し、子どもたちが仲間と一緒に遊びに熱中し、

時には葛藤しながら、互いに影響しあって人間関係を構築していく機会が減少しています。

このため、相手との距離のとり方がわからず、トラブルになってしまったり

集団の中での立ち振る舞いがわからず孤立してしまうなど、

人間関係をうまく築けない弊害がおきてきます。

 

また、情報化が進み、テレビゲームやインターネット等の室内の遊びが増え、

その分自然や広場での友達との遊びが減っています。

バーチャル世界に慣れ親しんでいる今の子どもたち。

生き物を慈しむ心、人を思いやる心を育む機会を意識的に増やしていく必要があります。

 

さらに、競争社会においては、子どもたちは幼い時から、常に他人と比べて評価される

という環境におかれています。

個性を伸ばす教育が求められながらも、現実は学校でも家庭でも人と比べて評価される

子どもたちも多いです。

正解とされる解があり、そこにどこまで近づけるかをいつも求められている状況です。

そして、良いとされる基準値に満たない自分はダメな子なんだと自信が持てない子ども

も少なくありません。

 

子どもの問題を解決する糸口となる花育

時代の流れとはいえ、上記の環境下にある子どもたちを放っておくわけにはいきません。

このまま野放しにすれば、

 

人を思いやる心

自然や生き物を大切にする心

自分は自分でいいんだという心

 

が育たないまま大人になってしまいます。

 

花育では、

・生きたお花を使って癒しを受け

・花を大切に慈しむ心を育て

・上手、下手でジャッジされない安心な場所で

・友達の気持ちや思いを受け止められるようになり

・自分はありのままでいいんだという自己肯定感を高める

ことを大切にした活動になります。

 

自己肯定感を育む花育インストラクターの役割

花育インストラクターは、

子どもたちが、ありのままの自分でいいんだという自己肯定感の高い子に育っていくのを

そばでサポートするお仕事になります。

 

ありのままのあなたでいいんだよということを、

花育活動の場所に足を踏み入れた瞬間から伝えていきます。

花選びのときも、使うお花は決められていません。

何種類かの花を準備し、その中から自分が好きな花を選びます。

花を選ぶという動作にも奥の深い理由があります。

「この花可愛いから!」という理由で選ぶ場合もあれば、

「ママがこの花好きだから」「お姉ちゃんと同じ花がいいから」

という理由で選ぶ子もいます。

どんな理由にしても、全てその気持ちを受け止めていきます。

 

制作する時も子どもたちにたっぷりと寄り添います。

寄り添うとは、そばでそっとサポートするという意味です。

 

決して、「こうしなさい」「それをするとうまくいかないよ」などの指導はしません。

困っていたら、「どうするとできるかな」と一緒に考えていくスタンスをとります。

花育では、できた作品をみんなでシェアして作品について語ったり感想を言い合う時間を

設けています。

たっぷりと自分の作品にかける思いを聞いてもらい、あったかい承認の声のシャワーを浴びると、

今度は人のことも認めてあげられるようになります。

子どもたちが、否定されることもジャッジされることもない安心安全な場所で、

花という自然を愛で、慈しみ、思い切り自分を表現し、そのことをたっぷりと認めてもらう。

 

この一連のプロセスを経験することで

自然を慈しみ、

他人を思いやり、

自分はありのままでいいんだ

という自己肯定感が育まれていきます。

そこを寄り添ってサポートしていくのが花育インストラクターの役割です。

 

監修・芙和せら(フラワーセラピー創始者)