言葉には本音がでる
フロイトは言い間違いや聞き間違いに着目して精神分析を行いました。
言い間違いや聞き間違いにはその人が心の奥底で気にしていることが反映するからです。
言い間違いではなくても、何気なく発した言葉には本音がのぞきます。
例えば「私、それくらいのことで恨んだりしないわよ」という言葉には、
わざわざ「恨み」という言葉が織り込んであります。
「気にしない」という軽い表現より重みのある言葉です。
この場合、発言者の心の中で「もしかしてこのことは許せないかもしれない」
「こんなことで恨んだりしちゃダメ」などの葛藤が生じている可能性があります。
発言者が気づいていなくても。
また「今回こそ心を入れ替えてまっとうな人間になりたいと思っているのです」
という反省の言葉が表しているのは、発言者の<願望>です。
「まっとうな人間になる」という<決意>ではありません。
心の奥底に「まっとうな人間になりたいけれど、自分には無理なんじゃないだろうか」
という自己不信や「このままのやり方で生きていきたい」という本音が隠されています。
心理カウンセラーはクライエントの表面上の言葉ではなく、
奥に隠された迷いや揺れを聴きとっていきます。
言葉より本音が表れるのは、動作・しぐさ、行動です。
このテーマは長くなりますので、次の機会にお伝えいたします。
この機会に自分の書いた文章を読み直してみましょう。
気づいていなかった自分の本音に気づけるかもしれません。