子どもの心理と花育
【目次】
・子どもの心の発達
・大切なのは指導ではなく共感
・「花育をまたやりたい!」と言われる理由
子どもの心の発達
花育を楽しむ子どもたちの年齢層は、
2歳のお子さんから中高生までと実に様々です。
花育インストラクターは、子どもの気持ちに共感しながらそばで寄り添います。
子どもは身体とともに、心も発達していきます。
子どもの心に共感するためには、子どもの発達心理を充分に理解しておくことが必要不可欠になります。
以下に子どもの心の発達段階をまとめました
《0〜3歳》人間関係の土台を育む時期
お腹がすく(不快)→泣く→授乳(快)
このように、不快→快 の体験を繰り返すことにより、他者(主に母親)との愛着関係・信頼関係の土台を育みます
《3〜5歳》自我の芽生え
いわゆる反抗期・イヤイヤ期と言われる時期ですが、「私はコレは嫌!」「ボクはコレがいい!」といった自己主張ができるようになります。『自分』という存在を明確に意識し始めた合図です
《6歳〜 》集団の中での学び
通学が始まり、集団の中で行動することが多くなります。集団の中での自分の存在、他人からの評価を意識するようになります。競争の機会が増えそれがストレスになる子どもたちもいます。
《10歳〜 》自我の台頭
再び「自分はこうありたい」という気持ちが大きくなる時期。反発する一方で不安も多く依存したい気持ちとの間で揺れ動くことが多いです。
《15歳〜 》アイデンティティ(自我同一性)
「自分とは何者か」「自分はなんのために生きているのか」といった自問自答を繰り返しながら自分という1人の人間の存在意義を見出していきます。
大切なのは指導ではなく共感
以上のように、子どもたちの心は年齢と共に深く大きく発達していきます。
この「子どもの心理」を理解せずして子どもに寄り添うことは困難です。
これは、花育現場だけではなく、自分の子育てにおいても同様です。
子どもの発達心理を深く理解しておくことは、
良好なコミュニケーションを築く上でも、子どもが自己実現していけるようにサポートしていく上でもとても大切です。
花育インストラクターは、子どもに、上手なお花のアレンジの仕方を指導しているのではありません。
子どもの気持ちを受け止め、共感し、安心して自分を表現できるよう見守りの姿勢をとります。
人は、『自分の気持ちをわかってくれた』と感じた時、相手に対し心を開きます。
実際に、花育の現場では以下のような報告がたくさん上がっています。
最初、モジモジして、あいさつができないくらい控え目だった女の子が、
共感してもらったことで、心がゆるみ、「私はこの花がいい!」と思いを伝えられるようになった
我先にと花を独占しようとしていた男の子。最初、他人に無関心だったが、競争しなくていい安心な場所で寄り添ってもらったことで、友達の作品をみて、「それすごいいいね!」と心から認めて褒めたたえる姿がみられた。
「花育をまたやりたい!」と言われる理由
花育のイベントに参加した子どもたちから聞かれる一番多い感想は、
「またやりたい!」という感想です。
これは一重に、花育インストラクターが子どもの発達心理を深く理解して、
子どもを無条件で受け入れ、共感しあたたかく見守る姿勢をとっているからです。
そして、生花という自然の恵みは子どもたちの心にパワーをくれます。
それは、『癒し』であったり、『励まし』であったり、『寄り添い』であったり。
花の力をもらいながら、花育インストラクターの寄り添い・共感の見守りの中で
子どもたちの健全なこころ育てをする。
これが花育インストラクターの使命です。
監修・芙和せら(フラワーセラピー創始者)