クレマチスの花の心理効果

皆さんは「クレマチスの花」と聞いて、その花姿を思い浮かべられますか?クレマチスはヨーロッパをはじめ、アジアや北アメリカなど幅広い地域に分布しています。可憐でありながら凛とした雰囲気も漂わせる、特別な存在の花と言えるでしょう。ガーデニングが盛んなイギリスでは、古くから庭を彩る植物として親しまれ「つる性植物の女王」と呼ばれててきました。また、日本でも古くから「てっせん」や「かざぐるま」といった名前で知られ、茶花として用いられてきました。

春から夏にかけて咲くものや、四季咲きのものなど種類が豊富で、花の色や形もさまざまです。大輪の花もあれば、釣鐘のようなかわいらしく楚々とした雰囲気を楽しむ小さな花もあります。

そんな多種多様なクレマチスの花が、私たちに与える心理効果はどのようなものでしょうか。この記事ではクレマチスの花の特徴や、心理効果についてご紹介していきます。

クレマチスの品種や色は?

クレマチスは、アネモネやクリスマスローズなどと同じ、キンポウゲ科に属するつる性植物です。細いつるを伸ばして、フェンスやアーチにからみながら成長していくのが大きな特徴。庭を華やかに彩る花として親しまれ、原種の数は300種類とも言われています。改良された園芸品種を含めると、その種類は数千にものぼると言われています。

花の大きさや形もさまざまで、直径20㎝近いものから、釣鐘型の小さなものなど、品種によってその印象も大きく異なります。開花の時期は春から夏にかけてのものが多いですが、秋まで花を楽しめるような品種もあります。最近は四季咲きのものが人気です。

花の色も最近は多様になってきました。鉄線と言えば青、紫、白のイメージでしたが、かわいいビビッドなピンク、うす紫、赤紫など、選ぶのに迷うほど。茶花のイメージから和花のイメージが強かったクレマチスですが、洋花とあわせたフラワーアレンジメントに使われることも増えてきました。

クレマチスが象徴する心

クレマチスはつるを伸ばして、フェンスやアーチなどの支柱にからまりながら大きく成長するのが特徴のつる性植物です。周囲のサポートを得ながら、自らを強く保ち成長を遂げて行く様子は、周囲の人との関係性を築くことで成長していく人間の様子にも似ています。

一見繊細な植物に見えますが、しなやかさを併せ持っているため、たとえ強い風に吹かれても柔軟に耐える力を持っています。その様子は、困難な状況にあっても、柔軟な対応でそれを乗り越える人の象徴とも言えるでしょう。

クレマチスの心理効果

クレマチスの花はその儚さや繊細な美しさが特徴的ですが、花に香りがあまりないことでその美しさを一層際立たせているとも言えます。香りによる刺激が少ないことで、視覚的な美しさを持つ癒しの効果に集中しやすいのです。

また、クレマチスの咲く姿は一見するとか弱く見えますが、しっかりと強く地中に根を張っており、力強い足元があるからこそ可憐な花を支えていられるのです。

これは私たちに「理想を追いながらも、地にしっかりと足をつけて生きる」ことの大切さを教えてくれます。夢や理想に向かいたいという気持ちが空回りして、現実の課題から目を背けたくなってしまう時は誰にでもありますよね。しかし、未来のことばかりに目を向けすぎると、足元がおろそかになってしまうものです。現実をしっかりと見つめて、今の課題に向き合うことで理想の自分に近づいていけます。

クレマチスは、今の自分に自信が持てずに現実逃避しがちな人にパワーを与えるような、そんな力を持っています。

まとめ

どんな時でも凛とした表情で花を咲かせるクレマチスは、現実にしっかりと立ち返って自分自身に向き合うことの大切さを私たちに教えてくれます。

理想を追い求めることばかりに夢中になってしまう時、今の自分に自信を持てずに心が落ち着かない時、集中力が続かない時などに、繊細でありながら力強いクレマチスの花をそばに飾って、その姿を眺めてみませんか。

風の中でその身をしなやかに揺らしながら花を咲かせ、でもしっかりとブレない軸を持った力強いクレマチスの姿は、今を見つめて現実を生きる力を、見ている私たちに与えてくれるでしょう。