秋の実りをアレンジに加える〈栗、稲穂、赤い実〉

秋は実りの季節です。鮮やかに色づいた木々の間に、栗や柿などの木の実が姿を見せます。そして田んぼは稲穂風に揺れ、黄金色に輝きますね。自然が長い時間をかけて育み、その成果としてわたしたちに見せてくれる実りの風景を、フラワーアレンジメントとして日常生活に取り入れてみませんか。

季節の花に加えて、栗や稲穂、そして鮮やかな赤い実をアレンジすることで、秋の季節を色濃く感じられるでしょう。そして、自然の恵みに触れることで、日々の生活の積み重ねが「実り」に繋がっていくことを実感でき、温かく穏やかな気持ちになれるはずです。

この記事では、そんな秋の実りをフラワーアレンジメントに加える楽しみ方やコツについてご紹介します。

実りの素材を取り入れる工夫

秋のアレンジに加えるおすすめの素材をご紹介します。季節の花をメインにして、そこに実りの素材を加えてみましょう。自然な秋らしさを日常生活に取り入れられます。

  • 栗やどんぐりなどの木の実

自然な丸みと落ち着いた茶の色合いが、フラワーアレンジメントに温かみを添えてくれます。ガラスの器やカゴに入れて花の近くに飾るだけでも、秋らしさが満喫できます。花器のそばに転がすだけでも十分です。

  • 稲穂

穂ものには自然の流れがあるため、アレンジメントに加えると動きが加わります。穂を垂らす形で添えると優しい雰囲気となり、風に揺れるようなイメージが演出できます。

  • 赤い実(ナンテン、ピラカンサ、ローズヒップ)

赤い実を秋のアレンジメントに加えると、季節を感じさせる良いアクセントになります。グリーンやベージュ系の花と組み合わせると、上品で温もりを感じられるアレンジになります。リースに加えるのもおすすめです。

秋の花との組み合わせ方

実りの素材と相性の良い、代表的な秋の花をご紹介します。組み合わせのヒントにしてみてください。アレンジメントの「主役」にするものを決め、合わせるものの特徴を考えて組み合わせるとバランス良く決まります。

 

秋の実りの素材 相性の良い花 組み合わせの特徴
栗、どんぐり ダリア、ワレモコウ、チョコレートコスモス 深い秋の色彩が、温かみのあるモダンな印象
稲穂 ケイトウ、コスモス、ススキ ナチュラルで風を感じるアレンジ
赤い実 白いトルコキキョウやバラ、リンドウ シンプルだけど華やかで、赤い実が冬も感じさせてくれる

 

アレンジメントを作るときのコツ

まずは「好きなもの」を意識して、花や実りの素材を選んでみましょう。手に取った時に直感で、これだと思える素材を選べば、自分好みの魅力的なアレンジになります。大きなポイントのひとつとなるのは、器選びです。どんな花器に花や実りの素材をあしらうかで、仕上がりの雰囲気は左右されます。ナチュラルな雰囲気にしたい時は、カゴや木製の花器を使うのがおすすめです。すっきりした印象にしたい時には、シンプルなガラスや白い陶器の器がいいでしょう。

上手にまとめようとするよりも、花を手に取り、香りを感じる、その時間に意識を向けてみましょう。その時間が心に良い影響をあたえ、癒しやゆとりにつながります。

実りの素材が心に与える効果

花や植物の色、形、香りは、わたしたちの心に影響を与えると考えられています。単なる季節の演出としてアレンジメントを作るのではなく、素材に触れて向き合うことが、心を整える時間にもなります。秋の実りの素材が心に与える効果についてご紹介します。

  • 栗・どんぐり

これまでの積み重ねが結実したものである栗やどんぐりは、心の安定や安心感を与えてくれます。どんぐりは仲間を象徴していて、周囲の人間との関係を良好にしたい時にそばに置くのがおすすめです。

  • 稲穂

稲穂は自然の豊かな恵みの象徴として、日々の幸せを感じさせてくれます。ススキのふわふわとして風に揺れる様は、優しさの象徴として心を穏やかにしてくれます。

  • 赤い実

赤い実はわたしたちの心に活力を与えてくれます。前向きな気持ちを呼び起こしてくれて、心のエネルギーを回復させてくれます。また、富の象徴でもあります。

まとめ

秋のフラワーアレンジメントは、自然の豊かな恵みを形にするのと同時に、自分自身の心にある実りを見つめられる機会でもあります。少しくらい不格好になったとしても気にすることはありません。今の自分を大切にするために、好きだと思える花や素材を選んで心のままにアレンジメントを完成させてみましょう。そうすることで、自然と心も整えられていくはずです。

秋の花や実りの素材を通して自然を感じ、心を整えて次の季節へ向かうエネルギーを蓄えてみませんか。