高齢になっても育てやすい観葉植物

「植物を育ててみたいけれど、毎日の水やりは大変」「以前は庭仕事が好きだったけれど、今は体力に自信がない」などと、年齢を重ねると、植物を育てたいという気持ちがあっても、きちんとお世話ができるかが気にかかり、諦めてしまうこともあるかもしれません。

そんな方にもおすすめしたいのが、観葉植物を育てることです。実は観葉植物の中には、それほど頻繁な手入れを必要としないものも多くあります。また、室内で育てられるので、庭仕事と比べると天候にも左右されにくく、体力に自信がない方も暮らしの中に取り入れやすいのも魅力です。

観葉植物の魅力は、ただ部屋を緑で彩ってくれることだけではありません。「新しい葉が出た」「少し大きくなった」「今日は元気そうだ」などと、毎日の生活の中で小さな変化にも気づくことができ、それが暮らしの張りに繋がります。大切なのは今の自分の暮らしや体力にあった植物を選ぶことです。

このコラムでは、年齢を重ねても比較的育てやすく、楽しみやすい観葉植物と、その楽しみ方についてご紹介します。

「育てる」だけではなく「関わりを楽しむ」こと

植物を育てることの魅力は、植物の美しさを楽しむということだけではありません。朝起きた時に緑が目に入り、新しい葉を見つけて成長に喜びを感じたり「今日は葉が元気だな」と気づいたりすると、自然と「明日はどうなっているだろう」と、明日を楽しみにする気持ちが生まれます。そんな日々の小さな気づきや出来事の積み重ねは、暮らしに張りをもたらしてくれるはずです。

年齢を重ねると、仕事を通して得ていた社会の中での役割や人との関わりが少なくなることがあります。植物のお世話は仕事ほど大きな負担にならない範囲で、小さな役割を感じられるきっかけとなります。また、植物の様子を日々見ることでの気づきを家族と共有するなど、会話のきっかけになりやすいというメリットもあります。

植物を育てる、ということに意気込みすぎるのではなく、育てるなかで植物との関わりを楽しむ、そんな感覚で観葉植物を育ててみると新たな発見があるかもしれません。

おすすめの無理なく楽しめる植物

気軽な気持ちで観葉植物を楽しむには、植物選びも大切です。育てやすさに加えて部屋の日当たりや、お世話にかけられる時間、「好きだな」と感じる姿かどうかを意識して選ぶと良いでしょう。選び方のポイント別に、おすすめの植物をご紹介します。

日当たりの良い部屋

  • パキラ

手のひらのように広がる葉が特徴。丈夫で初心者にも育てやすい。

  • ガジュマル

  個性的な幹の形と丸みのある葉が特徴。日光を好むため窓辺で育てやすい。

  • オリーブ

  銀緑色の葉が他とは違った雰囲気が魅力。日当たりや風通しの良い場所で育てやすい。

 

より植物の姿や形にこだわって探すなら、フィカス・ベンガレンシスやストレリチア・レギネ、アデニウムなども候補の一つになるでしょう。

日当たりが少ない部屋

  • ポトス

ハート型の葉がかわいらしい印象。日当たりが少ない室内でも育てやすく、つるが伸びる様子が楽しめる品種。

  • テーブルヤシ

繊細な葉が涼しげな印象。強い日当たりは好まず、やわらかな光が入る場所で育てるのがおすすめ。

  • アグラオネマ

葉の模様が美しく、室内の比較的弱い光でも育てられる。

 

アスピディストラ、フィロデンドロン・バーキン、アスプレニウム・エメラルドウェーブなども、日当たりが少ない室内でも育てやすい植物です。専門店など、種類を多く扱っている店舗で葉の形や模様など好みに合うものを探してみるのもおすすめです。

水やりやお手入れの負担が少ない

  • サンスベリア

肉厚でまっすぐ伸びる葉が特徴。乾燥に強く、土が完全に乾いてから水やりをするのでこまめな水やりが難しい方にも負担が少ない。

  • ザミオクルカス

光沢のある濃い緑の葉が魅力。地中に水分を蓄えるため乾燥に強く、水やりの頻度が抑えやすい。

  • アロエ

葉に水分を蓄える多肉植物のため、水は与えすぎないことがポイント。明るい場所におけば育てやすい品種。

 

サンスベリア・ボンセレンシス、ハオルチア・オブツーサ、亀甲竜(ディオスコレア・エレファンティぺス)などもお手入れの負担が少ない品種です。このような一般的なお店では手に入りにくい種類を探すのも、植物を育てる楽しみを広げてくれるでしょう。

 

楽しむことを大切に

一番大切にしてほしいのが、「上手に育てなければ」と思いすぎないことです。気を張りすぎると疲れてしまいますし、頑張って気負いすぎると、水をあげすぎてしまったり、陽を当てすぎてしまったりして、かえってうまく成長しないこともあります。完璧に育てることを目的にしなくても良いのです。

一歩引いたところで、観葉植物の様子を観察してみましょう。状態を見ながら、水が多すぎたかな?陽を当てすぎたかな?室温が高すぎたかな?と置き場所を変えてみるなどして工夫してみます。植物の声を聞いて、楽しみながら育ててみましょう。そんなことを繰り返すうちに、植物の小さな変化や成長を感じるようになってきます。そんな小さな出来事の積み重ねこそが、実は植物を育てる面白さなのです。

植物は会話を育てる

植物の魅力の一つは、人と人との会話を生み出してくれることです。家族が訪れたとき「元気だった?」とたずねるだけではなく、そこに観葉植物があればそれをきっかけに会話が生まれるでしょう。

「大きくなったでしょう?」「新しい葉が出てきたよ」と植物を一緒に眺めることで自然な会話につながります。面と向かって話すのではなく、一緒に同じ植物を眺めることで、会話が始められます。植物の存在が会話を生み育て、人と人のつながりを豊かにしてくれるのです。

まとめ

年齢を重ねたからこそ、「植物を育てる楽しみ」を感じていただきたいです。そしてそれには観葉植物はぴったりです。植物には「育てる」という楽しみだけでなく「見る」「触れる」「香る」という楽しみがあります。そして日々の変化に気づき、それを誰かと共有し会話をする楽しみもあります。成長を感じて嬉しくなったり、新しい葉を見つけて心が踊ったり、それを誰かに知らせて見せたくなる、そんな小さな出来事が、日々の暮らしの張りにつながり、彩りを与えてくれます。

まずは「好きだな」と思える観葉植物をひと鉢、手元に迎えてみましょう。植物を育てることは、成長を見守ることはもちろんですが、植物の成長を通して、自分自身の毎日を見つめ楽しむことにもつながるのかもしれません。

無理のない範囲のお世話でいいのです。年齢を重ねても、「変化」を感じられる暮らしは楽しさや充実感につながります。「今日も楽しかった」「明日はどうなるだろう」と思える時間は大切ですし、豊かに年を重ねることにつながるかもしれません。