『子どもの心を聴く』について
【目次】
・子どもの心を開くには?
・『子どもの心を聴く』について
・まとめ
子どもの心を開くには?
花育インストラクターは、子どもたちが安心・安全な環境で、作品創作ができるよう、
『子どもの心を聴く』ことを常に意識して、子どもたちと関わっています。
安心・安全な環境とは、場所、モノという物質的な環境を示すと同時に、人という環境も示します。
例えば、威圧的な態度をとる人の前で、安心して過ごすことは難しいです。
子どもたちが、心から安心して、創作活動ができるには、何よりもまず、
子どもたちが心を開いてくれる必要があります。
『心を開く』とはどのような状態なのでしょう。
それは、子どもたちが
「この人の前なら安心」「この人に話を聞いてほしい」「この人になら相談できる」と
感じている状態のことを示します。
では、どうすると子どもは心を開いてくれるのでしょうか。
それは、
『自分から先に会話をする』
ということです。
まず第一声は、「こんにちは!」という挨拶。
安心してスムーズに会場に入ることができるよう、エスコートします。
ウエルカムボードを作って、会場に入る前からワクワク楽しみにして来てくれるような工夫もしています。
そして、花育インストラクターから、自分を名乗ります。
「私は◯◯といいます。お名前を教えてくれるかな?」
こんな風に声をかけます。
ここでのポイントは、『花育インストラクターから名乗る』という点です。
こちらが何者なのかを明かさずに、いきなり相手に名前を聴くのは、
こちらが心を閉ざした状態で、相手の心を無理やり開かせようとしているのと同じです。
見落としがちですが、こういった細かな配慮が子どもが心を開くための鍵になります。
『子どもの心を聴く』について
では次に、活動中、花育インストラクターは子どもたちとどのような会話をしているのか
2つのポイントをお話します。
①受け止める
子どもたちは実に様々な思いを話してくれます。
その際、例え道徳的に良くないと思われているようなことを話したとしても、
「そう感じてるんだね」と受け止めます。
ここで、「その考えは良くないよ」と否定すると、子どもたちは一瞬で心を閉ざします。
子どもたちの意見を受け止めることで、子どもたちは、
「あ、この人は私のことを受け入れてくれている」と感じ、
安心してその続きを話してくれます。
②子どもと同じ世界に立つ
花育インストラクターは
『子どもが話す世界に、一緒に入る』
ということを大切にしています。
子どもの横に立ち、子どもが語る世界を一緒に見る感覚です。
一緒にその世界を味わい、堪能するイメージです。
自分が表現する世界のことを一緒に分かち合ってもらえた子どもたちは、
心の窓を全開にして、生き生きと会話をしてくれます。
そして、その会話から、
・私ってこういう人間なんだ!
・僕って◯◯することが大好きなんだ!
という自分への気づきを通して、自信ある行動が取れるようになっていくのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
私たちは、『人を心から理解しようとして聴く』ことを意識しながらも、
自分の価値観を押し付けたり、相手の意見を否定したり、正そうとしたりしがちです。
しかしその聞き方は、『心を聴く』とは言えません。
ただの「聞く」ではなく、相手を理解しようとする「聴く」。
この姿勢が、『子どもの心を聴く』ことにつながります。
監修・芙和せら(フラワーセラピー創始者)