色の意味にまつわるバイアスに注意！

普段生活している中で、色に対して特定のイメージを持つことはありませんか？例えば「白は清潔で善」「黒は不吉で悪」「男の子は青、女の子は赤（ピンク）」のような、無意識に植え付けられたイメージです。こうした色のイメージは、ごく当たり前のものとして受け止められがちですが、実は文化や時代によって異なることをご存じでしょうか？

「当たり前」と思っていた色の意味が、知らないうちに私たちの考え方や選択に影響を与えているかもしれません。今回は、色にまつわるバイアスについて考えながら、より色を自由に楽しむための視点をご紹介します。

 

色には「決まった意味」がある？

色には、それぞれ特定のイメージがついています。例えば、白は「純粋」「清潔」「神聖」といったポジティブな印象を持たれることが多いですね。逆に黒は「重厚感」や「高級感」もありながら、一方では「不吉」「暗い」「怖い」といったネガティブな印象を持たれがちです。

こうした色のイメージは、映画や物語の中でもよく使われています。例えば、「主人公が白い服を着ていて、悪役は黒い服を着ている」というシーン、思い浮かびませんか？

しかし、これはあくまで一つの価値観に過ぎません。例えば日本では白は「清潔」や「神聖」を表しますが、中国では「喪の色」とされ、不吉な印象を持つことがあります。また、黒も西洋では「死」や「悪」を連想させますが、日本では「格式の高い色」として武士や高貴な人々に好まれていました。

このように、色の意味は必ずしも固定されたものではなく、文化や時代によって大きく変わるものなのです。

また、色のイメージが固定化されることで、人種や民族に対する偏見につながることもあります。例えば、白が「善」で黒が「悪」といった表現が繰り返されることで、肌の色に関する無意識の偏見を生むこともあるのです。実際、過去には広告や映画の中でそのような表現が問題視されたこともありました。色の意味を考えるときには、こうした背景にも目を向け、多様な価値観を尊重することが大切ですね。

 

「男の子は青、女の子は赤」は本当？

「男の子のランドセルは黒や青、女の子は赤やピンク」というイメージは現代でもありますよね。でも、実はこれも歴史的に見ればあくまで一つの解釈でしかないのです。

例えば、19世紀のヨーロッパでは「赤は男の子の色」とされていました。赤は力強さや活発さを表す色と考えられ、男の子向けの色だったのです。一方で青は穏やかで落ち着いた印象があり、女の子の色とされていました。

では、なぜ現代では「男の子は青、女の子は赤（ピンク）」となったのでしょうか？その要因は、20世紀半ばのマーケティング戦略にあります。企業が「男の子向け＝青」「女の子向け＝赤（ピンク）」といった商品展開を進めたことで、世の中にそのイメージが広がり、今ではすっかり定着したのです。

でも、考えてみると「男の子だから青」「女の子だから赤やピンク」と決まっているわけではありませんよね。もし、男の子がピンクを好きでも、女の子が青を好きでも、それは自由な選択のはずです。色に性別の壁を作らず、自分の好きな色を選べるのが一番素敵なことではないでしょうか？

 

色の意味は国や文化によって変わる

色の持つ意味は、国や文化によっても大きく異なります。先述のとおり、日本では白は「清潔」「神聖」といった良いイメージがありますが、中国では白は「喪の色」であり、お葬式で使われるため不吉な印象を持たれることもあるのがよい例です。

また、日本では黒が「重厚感」や「高級感」を持つ色とされることもありますが、西洋では「死」や「悪」といったイメージが強いです。こうした文化的な違いを知らずにいると、海外で色を使う際に誤解を招いてしまうこともあるかもしれませんね。

さらに、色のイメージは言葉にも影響を与えています。例えば英語には「ブラックリスト（blacklist）」という言葉があり、「禁止リスト」「危険なもの」という意味があります。一方で「ホワイトリスト（whitelist）」は「許可されたもの」「安全なもの」を意味します。このような表現が色のバイアスを強化する要因になっているとも考えられますね。

色の意味を一つの視点だけで考えず、異なる文化の視点も取り入れるが大切です。

 

色のバイアスをなくして、もっと自由に！

私たちは無意識のうちに「この色はこういうもの」と決めつけがちですが、それが本当に正しいとは限りません。

例えば、最近ではジェンダーニュートラルなデザインが増えています。おもちゃや服の色も「男の子向け・女の子向け」と区別せず、さまざまな色が選べるようになっていますね。こうした取り組みは、子どもたちが自由に好きな色を選べる環境をつくるのに役立っています。

また、広告やデザインの世界でも、性別や文化による色のバイアスを避ける動きが広がっています。例えば、最近のランドセルは黒や青だけでなく、紫や水色、黄色など、たくさんのカラーバリエーションがあります。自分の好きな色を選べるのは、素敵なことですね。

色に対する固定観念を手放すことで、もっと自由に、もっと楽しく色を楽しむことができるのではないでしょうか？

 

まとめ

色の意味は、文化や時代によって大きく変わるものです。「白＝善、黒＝悪」や「男の子は青、女の子は赤」という考え方は、本当は社会的に作られたバイアスかもしれません。

大切なのは、「この色はこうあるべきだ」と決めつけず、自由に色を選ぶこと。色には決まったルールなんてありません。好きな色を楽しむことこそが、個性を大切にする第一歩ではないでしょうか？

これからは、色の意味にとらわれず、自分らしい色を楽しんでみませんか？