花育とは

花育の始まり

2000年代に入ってから、あちこちで『花育』という言葉が聞かれるようになりました。子どもたちと花との触れ合いを促進する活動などに使われています。食育という言葉が先にあり、それを模した形で登場したのが、『花育』です。

ただ、公に正式な定義というものが決まっているわけではありません。それぞれの花育活動の中で、多様性のある言葉として使われています。

花育の多様な活動と代表的な定義

ここでは多様な花育活動の現状と代表的な定義についてご説明します。

1.花育の多様な活動について

花育活動には、いろんな種類の活動があります。花屋の花育、アレンジメント講師の花育、など、ほんとうに多様です。あなたはどんな活動をしたいでしょうか?自分はこんなことをしたいというイメージをもって読んでいただくと、わかりやすいでしょう。

(1)花き卸売市場の花育とは

子どもたちにもっと花に触れてもらおうということで、小学校に花をお届けする活動をしている花き卸売市場があります。子ども時代に花に触れていると、大人になってから購入者になってくれるという狙いがあります。

(2)生け花・フラワーアレンジメント講師の花育とは

子どもたちに生け花やフラワーアレンジメントを教えることを花育と呼んでいます。大人に教えるのと内容はそれほど変わりませんが、子ども向けにシンプルにしているのが特徴です。礼儀作法を一緒に教えてこそ花育だという講師もいます。

(3)野外活動での花育とは

自然に触れ合う野外活動のガイドをしている人も花育という言葉を使うことがあります。子どもたちに野の花、木の実、樹木の種類などを教えるのです。また、薬などに使える植物知識など提供したりします。

(4)フラワー心理セラピストの花育とは

フラワー心理セラピストは、子どもたちが生花を自由に選び、自由にアレンジメントし、自己表現できる芸術療法として花育のワークショップを実施しています。幼児、小学生、中学生くらいまでが対象となります。

以上のように、誰が花育をするかによって活動内容が違っています。

2.花育の代表的な定義

(1)ウィキぺディアの花育の定義

ウィキペディアには『「花を教材に生命や個性について、子供などに考えてもらう活動」を指し、「食育(しょくいく)」「木育(もくいく)」に続く、教育的な要素を盛り込んでいる。』という表現があります。

(2)農林水産省の花育の定義

農林水産省の花育の定義は「花卉(かき)の多様な機能に着目し、教育、地域活動に取り入れること」となっています。とても広い概念ですから、花き卸売市場の花を配布する活動も花育といえます。

(3)芙和せらの花育の定義

フラワー心理セラピストである芙和せらの定義では、「生花を使って子どもの心育てをすること。芸術療法の一環であり、子どもたちは生花による自己表現によりカタルシス効果を得ることができる。さらにはフラワー心理セラピストは花育の中で子どもたちの潜在意識や無意識のメッセージを読み取ることができ、心理療法的にもちいることができる」としています。

上の(1)(2)の定義と大きく異なるのは「子どもの心」に焦点をあてていることです。主体が花や樹木などの植物にあるのではなく、主体は「子どもの心」であり、花はそのために用いられるのです。

以上が花育の代表的な定義です。

これからの時代に求められている花育とは

これからの時代に求められている花育とはなんでしょうか? 花育教室や花育ワークショップに子ども自身の考えで参加することは、まずないでしょう。参加する、しないの決定には保護者が必ず関与してきます。保護者が求めているのは子どもたちが健やかに育つこと。心優しい人間になってくれることです。

フラワー心理セラピストは、保護者が求める健やかな育ち、優しさ育てをふくめての「子ども心」に主眼をおいた花育活動をしています。

あなたが子どもたちの幸福な未来を願うなら、『子ども花育インストラクター養成講座』で学んでみてください。発達心理や親子関係支援などのヒントがいっぱいあるはずです。

監修・芙和せら(フラワーセラピー創始者)